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夏用留袖とは
夏の結婚式には単衣留袖がおすすめ!おすすめの理由を徹底解説
夏用留袖とは
夏の結婚式には単衣留袖がおすすめ!
おすすめの理由を徹底解説
暑い季節にピッタリの留袖をご紹介
着物には、黒留袖・色留袖・訪問着のように立場やシーンで使い分ける着物の種類と、袷(あわせ)・単衣(ひとえ)・絽(ろ)といった季節によって使い分ける着物の種類があります。
現代では、昔ほど厳密ではなく、結婚式場での着物の着用は空調が効いておりますので、袷でも問題ありません。
しかし、近年はコロナの影響があり、定期的に換気を行う式場がほとんど。
そのため、室温が高く暑いと感じてしまう事も多いようです。
お祝いの席ですので、快適に過ごしたいですね。ここでは、暑い季節にピッタリの留袖をご紹介いたします。
着物の種類 袷・単衣・絽 とは?
四季がはっきりしている日本では季節によって着物を着分けます。
昔ほど厳密ではありませんが、格式ある式典で着物を着用する時には注意が必要です。
留袖や訪問着といった着物の種類は、洋服で例えると、留袖はシルクのロングドレス、訪問着はスーツというイメージ。
一方、袷・単衣・絽 はというと、季節によって使い分ける着物の種類を指します。
袷は冬用の裏地のあるジャケット。単衣は春秋用の裏地のないジャケット。絽はシースルージャケット。と考えると分かりやすいのではないでしょうか。
【10月〜5月】
冬から春にかけて着る着物「袷(あわせ)」
【 6月と9月】
季節の変わり目に着る着物「単衣(ひとえ)」
【7月〜8月】
初夏から真夏にかけて着る着物「絽(ろ)」
10月~翌年5月まで:【袷(あわせ)】
裏地のある着物
※結婚式での着用は花嫁の衣装が【袷】仕立ての為、訪問着・留袖ともに年間を通して【袷】でも問題ございません。
6月・9月:【単衣(ひとえ)】
裏地のない一枚仕立て
春、秋のジャケットに裏地がないのと同じですね。
一見、袷とそんなに変わらないように見えますが、こちらは単衣の比翼仕立てという仕立て方になります。
格調高い着物である「留袖」は、下に白い着物を実際に着て、重ね着をするものでした。重ね着には「良いことが重なりますように」という意味もあり、大変縁起の良いものとされてきました。しかし重ね着は暑いし重いし、なによりゴワゴワと動きにくいものです。そのため利便性的な観点から、現在では、重ね着をしているように見せる比翼仕立てが主流となっています。
留袖は結婚式に着用する機会の多い着物ですから、比翼仕立ては外せない仕立て方となります。
単衣の比翼仕立ては、身頃部分の裏地がないので、袷に比べると軽く風通しが良いため暖かくなってくる季節や、暑がりの方が着るのにとてもおすすめです。
※昔からのしきたりでは6月と9月が単衣向きとなっていますが、近年の温暖化に伴い、5月から着用される方が増えて来ました。
夢館でも5月からレンタル可能としております。
7月~8月:【絽(ろ)】
薄物の着物
夏の正装着に使われる素材。夏物生地の王道とも言えるでしょう。紗の変形として生まれた織り方で、奇数のよこ糸ごとに経糸をからめて織り、規則的に隙間をつくった生地です。紗という夏用の生地よりも透ける部分が少なくなり、フォーマル向きとなっています。
昔からのしきたりでは7月、8月が絽向きとなっていますが 近年の温暖化に伴い、夢館では6月下旬からレンタル可能としております。
単衣と絽の写真写りについて
夢館では、6月から9月は夏用着物の単衣をおすすめしております。
「暑いなら絽がおすすめじゃないの?」
「しきたりでは、7月8月は絽を着るのでは?」という声が上がりそうですね。
なぜ、単衣着物をおすすめさせていただくかご説明致します。
本来ならば、夏には絽や紗といった夏用のお着物を着用します。
夏用の生地ということもあり、見た目も涼しげですが、結婚式には不向きなため、おすすめできません。
一番の理由はズバリ写真写りです。
記念撮影の際、透け感があるため、黒留袖なのに白んでグレーのように映ってしまいます。
新郎新婦の親族のうち1人が絽でもう一人が単衣もしくは袷だった場合、写真写りにかなり差がでてしまいます。
せっかくの記念撮影は素敵な姿を残したいものです。単衣の黒留袖は袷とほとんど見た目が変わりません。
【単衣の写真写り】
【絽の写真写り】
単衣と絽の小物の違いについて
絽の留袖は着物だけでなく、帯や小物すべてが透け感のある素材で統一されます。
※単衣でも絽の帯を合わせた場合は夏用の小物になります。
見た目の違いが一目瞭然となりますので、お相手のお母様が着用される留袖を確認しておくと安心です。
【袷・単衣の小物】
【絽の小物】
単衣留袖の長襦袢について
夢館では、単衣留袖をご注文のお客様には、夏用の長襦袢をお付けいたします。
【長襦袢とは】
着物の下に着用する、着物と同じ形状をした下着です。着物を汚れから守る、着物姿を整える、といった役割をしてくれます。
留袖では長襦袢・半衿ともに必ず白を着用します。
夏用の長襦袢は通常、半衿も透け感があるものを付けますが、見た目を統一させるために、袷と同じ素材の半衿を付けております。
夏用の長襦袢は、涼しく汗などの乾きも速いので、快適に過ごすことが出来ます。
ご着用いただいた際の見た目は、袷と変わりません。※裾から少し、長襦袢が見える事がありますが、気にならない程度です。
※単衣でも絽の帯を合わせた場合は絽と同じ夏用の半衿になります。
【単衣の長襦袢】
【絽の長襦袢】
単衣着物には袷の帯がおすすめ
帯についても本来であれば、季節によって着用する仕立て方や素材が異なります。
しかし、こちらも着物と同じで現在では厳密なルールが無くなりつつあります。
単衣仕立ての留袖には、気に入った袷帯を合わせてもなんの問題もございません。
見た目は全くわからないので、誰かに指摘されることもありません。
むしろ、袷帯は色柄を豊富に取り揃えており、選べるのでおすすめです。
夢館では、帯の変更は自由!帯カタログからお好みの帯を選んで変更できます。
黒留袖用 袷帯の一例
まとめ
いかがでしたでしょうか。
単衣留袖と袷留袖は裏地が付いているかどうかの違いです。裏地が付いていないだけでも軽さと涼しさは段違いです。
見た目は同じなので、本来なら「袷」を着用する5月にも着用することも可能なんですよ。
また、写真写りを考慮すると「絽」を着用する7月~8月にも「単衣」はおすすめ!
暑いと感じる季節には、ぜひ単衣留袖のご着用をご検討ください。